一時払ドル建商品を考える

概要

今後の金利はどうなるのか?

一時払外貨建商品を販売するときに重要な要素は「金利」ですね。

まずは金利に関して考えてみます。

現在令和5年3月23日10時で7時間前の午前3時(米国ワシントンDC22日14時)に米国FOMC(Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、米国の金融政策を決定する会合)での発表がありました。

以下翻訳です。

最近の指標では、消費と生産は緩やかに増加しています。雇用はここ数ヶ月で回復し、堅調なペースで推移しており、失業率は低水準で推移しています。インフレ率は依然として高い水準にあります。
米国の銀行システムは健全で弾力的である。最近の動向は、家計や企業の信用状況を厳しくし、経済活動、雇用、インフレに影響を及ぼすと思われます。これらの影響の程度は不確実である。委員会は、インフレリスクに引き続き高い関心を持っている。
委員会は、長期的に最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す
これらの目標を支持するため、委員会は、フェデラルファンド金利の目標レンジを4.75%から5%に引き上げることを決定した。
委員会は、入ってくる情報を注意深く監視し、金融政策への影響を評価する。
委員会は、インフレ率を長期的に2%に戻すために十分に制限的な金融政策スタンスを達成するために、いくつかの追加の政策固めが適切であるかもしれないと予想しています。
目標レンジの将来の引き上げ幅を決定する際、委員会は、金融政策の引き締めの累積、金融政策が経済活動やインフレに影響を与えるラグ、経済・金融情勢を考慮する。加えて
委員会は、以前に発表した計画に記載されているように、財務省証券、政府機関債及び政府機関住宅ローン担保証券の保有量の削減を継続する。
委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強くコミットしている。
金融政策の適切なスタンスを評価する上で、委員会は、経済見通しに対する入ってくる情報の影響を引き続き監視する。
委員会は、委員会の目標の達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適切に調整する用意がある。
委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融及び国際情勢を含む幅広い情報を考慮する。
金融政策決定に賛成したのは、ジェローム・H・パウエル議長、ジョン・C・ウィリアムズ副議長、マイケル・S・バー、ミシェル・W・ボウマン、リサ・D・クック、オースタン・D・グールスビー、パトリック・ハーカー、フィリップ・N・ジェファーソン、ニール・カシュカリ、ロリー・K・ローガン、クリストファー・J・ウォラー。

大方の予想通り4.75%から0.25%上げて5%となりましたね。

もちろん、米国のシリコンバレー銀行やクレディスイスなどの破綻が相次ぎ、特に米国では取付騒ぎが起こっていますので、本当は金利を上げるとまずいということは重々わかっていると思います。

フェデラル(連邦)ファンド金利というのは米国の銀行同士が短期=1日の資金調達を行う際に支払う金利なので、この金利が上がれば銀行は苦しいわけです。

また長期金利に影響を及ぼす面において、FRBはインフレを抑えるためということで「財務省証券、政府機関債及び政府機関住宅ローン担保証券の保有量の削減を継続する。」と言っています。

保有量を削減を継続するというのは具体的にこれらの証券を売却することによって市場から資金を回収することになります。すると市場の流動性が減少し、市場における資金の供給量が減少し、資金調達が困難になり、結果、長期金利も上昇傾向になります。

FRBが証券を売却すると、その証券の市場における価格が下落する可能性があります。そうなると銀行自身が保有している証券の評価額が減少して、さらに銀行は損失を被る可能性があります。

銀行は踏んだり蹴ったりですね。

でも本当に困るのは預金者=銀行に対する債権者なので、彼らに対してはFDIC(米連邦預金保険公社)が上限の250,000ドルを超えて全額保証するとなってました。。。

そこまで保証してもらえるのは先のシリコンバレー銀行、シルバーゲート、シグネチャー銀行までくらいですか、、、ま、米国民主党の資金源になっているシリコンバレーの人たちが利用しているシリコンバレー銀行は当然でしょうけどね。。

預金者ではないけれどシリコンバレー銀行のCEOグレッグ・ベッカーさんなんかは破綻の11 日前の 2 月 27 日に、360 万ドル(約4億8000万円)相当の SVB 株を売却したそうです。いいなぁ

いずれにしても、リーマンショックかそれ以上の大変な状況を回避するために世界的に協調していこうという動きがあります。

アメリカの銀行セクターがぐらつきスイス金融大手クレディ・スイスの合併が発表されたことを受け、日米欧の6中央銀行は19日、米ドルの資金供給を強化すると発表した。

英イングランド銀行、日本銀行、カナダ銀行、欧州中央銀行(ECB)、米連邦準備制度理事会(FRB)、スイス国立銀行(SNB)は声明で、「流動性供給を強化する」ための協調行動を取ると説明した。

各中銀がドルを市場に供給する公開市場操作(オペ)の回数を週1回から毎日に増やす。

ドルスワップ協定を通じた流動性供給の強化は20日から実施され、少なくとも4月末まで継続される。(BBC NEWより抜粋)

ということは、市場に資金が出回るんですね。

金利上げて、資金を回収するけど、資金を出回るようにする。FRBはドルを刷りまくる。。。あれ、インフレ対策どうなるの??

なので、これは短期的な対策で、やはり将来的には金利を下げていかざるを得ないのかなと思います。

外貨建商品の利率

CME(金融商品、コモディティともに取り扱うシカゴマーカンタイル取引所)のデータ(FOMCでの金利予想)をみても先々金利は下がっていく予想となっています。

長期金利を表す米国10年国債の利率

マニュライフ生命ドル建個人年金保険の基準積立利率

 

今後金利が下がることを考えると今が加入に適切な時期かもしれません。他の保険会社のドル建もほぼ同じような利率になると思われます。