相続の基本③生前贈与

相続

相続の基本①では「相続とは、相続における財産の分割方法」を、相続の基本②では「相続の財産を含む人生の棚卸をエンディングノートを使ってする方法」を考えました。今回相続の基本③では「相続をする前に財産をあらかじめ大切な人に渡す方法」ということで生前贈与について考えていきたいと思います。

まず生前贈与のメリットは2つあります。1つは相続財産が相続税をたくさん払わなければいけなくなる場合においては生前贈与をすることでその相続税が軽減されることです。もう一つは「争」族を避けやすいということです。

どういうことかというと相続財産の額に関わらず相続財産そのものが多い、例えば現金、預貯金、有価証券、建物、土地、ゴルフ場など施設等の会員券、金、銀、骨董品、趣味の持ち物等々がある場合、もしものことが起きた場合は財産わけすることが大変です。あらかじめ生前贈与で時間のあるうちに贈与しておけばその大変さはかなり減ると思います。

生前贈与をいつどうするかに関してはエンディングノートを使って親族一同で話をしているときがベストです。ご自身の財産等を棚卸して考えているときに、「〇〇はどうするの?私に今くれない?」と話題をもちだすことで「じゃ、この〇〇はおまえにあげるか」となるかもしれません。

もちろん生前贈与される方は現金、預貯金等を比較的すぐに手に入ることで嬉しいわけです。

そのようなメリットを考えて生前贈与をすることは大切ですが、税金面では生前贈与において考えなければいけない点があります。

相続時精算課税

原則相続するときには相続税、(生前に)贈与するときには贈与税という税金がかかってきます。しかし「相続時精算課税」という制度を使えば生前贈与時に「贈与税を支払うことなく」相続が発生した時に「払わなかった贈与税を精算する」ことができます。

例えば、父親が2500万円の家を子供にあげてもその時に子供は贈与税を払う必要はなく、父親が亡くなった時にその家の財産額を他の相続財産の額とあわせて相続税を計算して支払うことになります。

では、いくらのものでもこの制度が使えるかというとそうではなく上限累計で2500万円までです。この2500万円を「特別控除」と言います。一方2024年1月から「基礎控除」と言って毎年110万円までの控除もこの制度に加えられました。元々贈与税そのものには基礎控除110万円までとありましたが、これがこの制度の中にも入れられたわけです。

特別控除、基礎控除を両方使って生前贈与した場合、相続発生時に精算される額はあくまで特別控除された部分だけで、基礎控除部分は精算されません。

注意すべき点はメリット1つめの相続税の節税効果は毎年の基礎控除110万円部分だけであって、上限2500万円に関しては相続時に精算つまり持ち戻されてしまうのでその2500万円が節税になったとはならないところです。

しかし、この特別控除には別のメリットがあります。これが相続時精算課税制度を採用するかどうかを決める一番大切な点です。

それは「将来価値が上がる財産を相続時精算課税制度を使って生前贈与する」とメリットがあるということです。なぜなら相続時精算課税制度を利用して贈与された財産を相続時に精算するときは、贈与された当時の財産評価額で精算するからです。

具体的に言うと、例えば令和7年3月1日に2500万円の価値の家(土地込)を贈与して、令和12年4月1日に相続となった場合で家の価格が3500万円になった場合でも、精算される価格は2500万円のままで構いません。

ということでこの制度は「将来的に価値が上がる財産」例えば将来再開発が予定されていて価格が上がりそうな土地や将来有望な会社の株式(自社株含む)などに対して実施することが重要です。

そして同時に基礎控除の110万円も同時に使って相続時の財産を少しでも減らしていくという2つの控除制度を上手く使うのがポイントです。この基礎控除の部分においては保険を利用することが考えられます。

保険の利用

例えば80歳の父親に50歳の娘(20歳の息子がいる)がいて、父親が契約者、娘が被保険者、受取人は20歳の孫とする変額保険に加入する場合を考えます。

はなさく生命の変額保険で保険料月払90000円で保険期間10年だと基本保険金額が約1033万円(払込保険料累計1080万円)です。以下その設計書です。

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こちらプライマリー生命です。

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